地域に根ざして活動する企業にとって、自社の魅力を顧客にどのように伝えるかは重要な課題となります。大手のハウスメーカーとは異なる独自の魅力を持っていても、それが潜在顧客に届かなければ受注にはつながりません。
現代では情報収集の手段が変化しており、小さな工務店のホームページは大きな役割を担います。しかし、ただ作成すれば良いというものではなく、適切な戦略を持たずに運用して失敗するケースも存在します。
本記事では、小さな工務店がホームページを持つべき理由や想定されるデメリット、そして制作で陥りやすい失敗の背景について詳しく解説します。
小さな工務店がホームページを持つべき8つの理由

大手のハウスメーカーが運営することとは異なる意味を持ちます。持つべき8つの理由について詳しく見ていきましょう。
自社の存在を知ってもらう機会の創出
規模が大きくない場合、たとえ施工エリア内であっても知名度が低く、存在を知られていない可能性があります。建築予定の人が調べる際に検索にヒットすることで、自社の存在を知ってもらえる機会が生まれます。
会社の存在を知られなければ、どんなに丁寧な施工や誠実な対応をしていても、その魅力が潜在顧客に伝わることはありません。まずは会社があることを認知してもらうことが第一歩です。
営業活動の証明と潜在顧客へのアピール
存在を知ってもらったうえで、営業していることを伝える役割があります。新築計画者は周辺の会社を地図や紹介サイトで調べましょう。
ここで住所や電話番号が掲載されて会社の存在を知ってもらえても、公式サイトを持っていなければ、営業しているのかを知る術はありません。
結果として、営業していることが明らかな会社に潜在顧客が流れることとなります。
見学会などイベント告知を通じた対話の促進
自社の雰囲気や仕様を知ってもらう場合も、顧客の情報を知る場合も、直接対話することが最も効率的にマッチングする方法です。公式サイトがあれば、見学会や相談会といった各種イベントの告知が容易になります。
今まで以上に多くの顧客と対話する機会が得られることから、集客が増加することは想像しやすいでしょう。
施工事例の提示による比較検討への参加
施工を依頼する会社に迷っている人は、作る家の雰囲気を知るために多くの施工事例を見たいと考えています。事例を簡単に掲載できる環境があれば、その要望に応えられます。
特に選び始めたばかりの人は数多くの会社を比較し、施工事例を見比べて問い合わせをする会社を選定するため、施工事例が見られない会社は選考外になる可能性があります。
家づくりのコンセプトへの共感とミスマッチ防止
家づくりで最も悲劇的なことは、コンセプトと施主の求める家のミスマッチです。多額の費用をかけたのに満足いく家ができない原因は、両者の想いの擦り合せが十分でないことが一因です。
家づくりへの理念、断熱などの仕様、費用、工期などを表せるので、コンセプトに共感してもらった上で契約に到れるようになります。
アクセス解析を活用した顧客ニーズの把握
各ページに一日何人来訪し、どれくらいの時間閲覧したのかデータが集まります。データを集計して解析することで、施主の求めるものがわかります。
断熱について解説したページの閲覧者が多いなら、高気密や高断熱を期待して来訪しているかもしれません。解析結果を会社の運営方針に反映すれば、さらに効率的に運営できる可能性があります。
ピンポイントな広告運用による経費削減
宣伝広告を行う際、テレビCMや新聞折込などは不特定多数に配信されるため費用対効果が低い傾向にあります。
一方で、立ち上げた上で行うリスティング広告は、特定のキーワードで検索した人にだけ表示されます。
求人募集や協力会社探しの効率化
経営する中で、求人を募集する場合や下請けの業者を募集する場合があります。専門の求人サイトなどに依頼すると多額の費用を要求されますが、自社に掲載すれば無料で募集ができます。
しかも理念や雰囲気を把握した上で応募があるので、会社にマッチした人材からの応募が期待されます。
小さな工務店がホームページを持つことで生じる4つのデメリット

ここまでメリットを挙げましたが、良い点ばかりではありません。生じるデメリットも確認しましょう。
維持管理に伴う継続的なコスト
インターネット上の住所を示すドメイン、立ち上げる土地を示すサーバー、運営を依頼する場合は管理手数料など、継続的に費用が発生してしまいます。
集客が実を結ぶには時間がかかるので、長期的な視点で費用対効果を考えることが大切です。
運用や更新にかかる時間と手間
作成の目的や顧客の設定、デザイン構築のほか、定期的な情報発信やイベント情報更新、アクセスの解析など、集客には手間と時間を要します。
本業の傍ら自身で立ち上げるのは現実的ではないため、WEBコンテンツ運用会社に依頼することとなりますが、施工事例やイベント情報の提出などの一定の手間はかかることを認識しておきましょう。
集客効果を実感するまでの期間
今まで集客を行った経験がない場合は、効果を実感できるまでに時間を要します。GoogleやYahoo!の検索結果の1から3ページ目に表示されるようになって、初めて問い合わせが増える実感を得られます。
検索上位に表示されるまで半年から1年ほどを要する場合もあるので、チラシや雑誌などと比べて長期目線で結果が出る集客方法といえます。
想定を超える問い合わせへの対応リスク
WEB集客がうまくいった場合に、想定した以上の問い合わせが来る場合も問題が生じます。チラシなどの場合、掲載を取りやめれば露出がなくなりますが、検索順位を任意に調整できないので、問い合わせの数を調節しづらい点が弱点です。
マンパワーが限られているため、想定以上の問い合わせに人手を取られる危険性があります。
小さな工務店がホームページつくりで陥りやすい失敗

ホームページをせっかく制作しても、戦略を誤ると思うような結果は得られません。一年間問い合わせがゼロだった事例をもとに、陥りやすい失敗を見ていきましょう。
大手ハウスメーカーを模倣した見せ方の罠
社長、大工、事務員を合わせて八名という地元の小さな工務店の事例です。ヒアリングの際、社長は大手のハウスメーカーのような見た目のデザインにしてほしいと要望しました。さらに、大規模な新築住宅から和風、洋風、デザイン住宅、木の家まで何でもできるという見せ方を希望したのです。
ターゲットを絞り込まない戦略の結末
制作側の視点では、ライバルを大手企業に設定した場合、相対的な優位性を打ち出しにくく、「何でもできます」という訴求では差別化は難しいです。一方で、要望を優先して大手企業と同様の見せ方で進める判断がなされることもあります。
その場合、サービスの特徴が伝わりづらくなり、結果として成果につながりにくくなる可能性があります。
まとめ

小さな工務店のホームページを持つべき理由と、生じる可能性があるデメリット、そして失敗の背景を紹介しました。
情報収集をしようと思ったとき使用するメディアは、新聞、雑誌、ラジオからテレビへ、そしてパソコンやスマートフォンを使用したインターネットへと代替わりしてきています。従来通りの方法を使い続ければ、集客の悩みが尽きないのは自然なことです。
上手に集客できないのは、露出を図るメディアに問題があるのかもしれません。大手を真似するのではなく、維持コストや運用にかかる時間といったデメリットも十分に理解した上で、自社の状況に合った小さな工務店のホームページ集客を検討することが求められます。
