掲載許可の依頼メール例文集!著作権の注意点や書き方を解説

WebサイトやSNS、パンフレットなどで他者の文章や画像、写真を使用する場合、著作権や肖像権などの権利関係を確認する必要があります。利用方法によっては、権利者から事前に許諾を得なければなりません。

無断でコンテンツを利用すると、掲載の取り下げや損害賠償請求などのトラブルに発展する可能性があります。一方、著作権法上の引用に該当する場合など、許諾を得ずに利用できるケースもあります。

本記事では、掲載許可を依頼するメールの書き方や、ビジネスシーンで使えるケース別の例文を紹介します。著作権や肖像権に関する注意点、依頼後の対応方法も解説するので、メールを作成する際の参考にしてください。

掲載許可の依頼メールを送る理由

他社のコンテンツや人物の写真などを自社の媒体に掲載する場合、利用する内容や目的に応じて、権利者や関係者への確認が必要です。

掲載許可を依頼することで、利用条件について認識をすり合わせ、権利侵害や企業間のトラブルを防ぎやすくなります。

著作権や肖像権に関するトラブルを防ぐ

他者が作成した文章やイラスト、写真、動画などは、著作権によって保護されている場合があります。また、人物が写った写真を公開するときは、被写体の肖像権などにも配慮しなければなりません。

権利者の許諾が必要なコンテンツを無断で利用すると、掲載の差し止めや損害賠償請求などにつながる可能性があります。

ただし、すべての利用に許諾が必要なわけではありません。著作権法上の引用に該当する場合など、法律で認められた条件を満たせば、許諾を得ずに利用できるケースもあります。

利用するコンテンツの種類や掲載方法を確認し、許諾が必要な場合は、掲載前に権利者へ依頼しましょう。

相手との信頼関係を維持する

掲載許可の確認は、法的なリスクへの対応だけでなく、相手との良好な関係を維持するうえでも重要です。

たとえ悪意がなくても、コンテンツを無断で使用すれば、相手に不信感を与えるおそれがあります。今後の取引や共同企画などに影響する可能性もあるため、利用目的や掲載方法を事前に説明し、相手の意向を確認することが大切です。

メールで依頼内容や回答を記録しておけば、後から利用条件を確認する際にも役立ちます。許諾を得た場合は、合意した条件に沿ってコンテンツを利用しましょう。

掲載許可の依頼メールに記載すべき項目

掲載許可を依頼するメールでは、相手が利用の可否を判断できるよう、必要な情報を具体的に伝えます。

特に、掲載の目的や媒体、使用するコンテンツ、利用条件は明確にしておきましょう。

掲載の目的と媒体名を明確にする

まず、何のために、どの媒体へ掲載したいのかを伝えます。

掲載先が自社のWebサイトなのか、SNSアカウントなのか、紙のパンフレットなのかによって、コンテンツの使われ方は異なります。媒体名やURL、掲載ページなどを具体的に記載しましょう。

あわせて、事例紹介や商品・サービスの案内、イベントレポートなど、掲載する目的も簡潔に説明します。

掲載目的や媒体が曖昧だと、相手は利用による影響を判断しにくくなります。掲載後のトラブルを防ぐためにも、利用方法を具体的に伝えることが大切です。

掲載するコンテンツを特定する

使用したい文章や画像、写真、データなどを具体的に示します。

Web上で公開されているコンテンツであれば、該当ページのURLや記事タイトルを記載すると、相手が確認しやすくなります。原稿や画像を使用する場合は、必要に応じてメールに添付しましょう。

また、コンテンツの一部を使用するのか、全体を掲載するのかも明記します。編集やトリミング、加工を予定している場合は、その内容も伝えてください。

利用範囲を具体的に示すことで、相手が許諾の条件を検討しやすくなります。

掲載期間や利用条件を伝える

掲載媒体や対象物に加え、必要に応じて掲載期間や利用条件も記載します。

例えば、次のような項目を整理しておくと、双方の認識を合わせやすくなります。

  • 掲載媒体と掲載ページ
  • 使用する文章・画像・写真など
  • 掲載の目的
  • 掲載予定日と掲載期間
  • クレジット表記やリンクの有無
  • 加工・編集の有無
  • 二次利用やSNSでの再投稿の予定
  • 利用料の有無

特に、Webサイトへの掲載だけでなく、広告やSNS投稿、営業資料などにも転用する予定がある場合は、あらかじめ利用範囲を伝えましょう。

許諾を得た場合も、合意した範囲を超えて自由に利用できるわけではありません。掲載後の用途も考慮して依頼内容を整理することが重要です。

回答期限を設定する

掲載可否の回答が必要な場合は、希望する返信期限を記載します。

期限を設けておけば、相手も対応の優先順位を判断しやすくなり、自社の制作スケジュールも管理しやすくなります。

ただし、回答期限に一律の決まりはありません。確認に必要な時間や掲載予定日を考慮し、無理のない期限を設定しましょう。

また、期限までに返信がなかった場合は、許諾を得られたものと判断せず、必要に応じて確認の連絡を入れます。回答が得られない場合は、掲載を見送るなどの対応を検討してください。

【シーン別】掲載許可の依頼メール例文集

ここからは、ビジネスで使える掲載許可の依頼メールを4つのケースに分けて紹介します。

掲載する内容や相手との関係に応じて、必要な項目を調整して活用してください。

例文1:他社サイトの画像や文章を使用する場合

他社のWebサイトに掲載されている画像や文章を、自社のコンテンツで使用したい場合の例文です。

なお、著作権法上の引用の要件を満たす場合は、原則として権利者の許諾を得ずに利用できるケースがあります。一方、画像や文章の転載など、引用に該当しない利用では許諾が必要になることがあります。

以下は、図表や文章の一部について、許諾を得て利用することを想定した例文です。

件名:【掲載許可のお願い】貴社Webサイトのコンテンツ利用について(株式会社〇〇)

〇〇株式会社
広報部 ご担当者様

平素よりお世話になっております。
株式会社〇〇の[氏名]と申します。

このたび、弊社のオウンドメディアで制作している「[テーマ名]」に関する記事において、貴社Webサイトに掲載されているコンテンツを使用させていただきたく、ご連絡いたしました。

対象となるのは、貴社Webサイトに掲載されている「[記事タイトル]」内の[図表・画像・文章など]です。

掲載を予定している媒体や利用方法は、以下のとおりです。

【掲載・利用内容】

  • 掲載媒体:弊社オウンドメディア「〇〇」
  • 掲載先URL:〇〇
  • 使用するコンテンツ:[対象の画像・図表・文章など]
  • 利用目的:[記事内で紹介する目的]
  • 掲載予定日:[年月日]
  • クレジット表記:貴社名および対象ページへのリンクを掲載予定

上記の内容で利用させていただくことは可能でしょうか。

なお、加工や編集が必要となる場合は、事前にご相談のうえ対応いたします。

お忙しいところ恐縮ですが、[〇月〇日(〇)]までにご回答いただけますと幸いです。

ご不明な点や利用条件などがございましたら、お申し付けください。

何卒よろしくお願い申し上げます。

例文2:インタビュー記事や導入事例を掲載する場合

顧客へのインタビュー内容や、自社サービスの導入事例を公開する際の例文です。

取材に協力してもらった場合でも、公開する原稿や写真、発言内容の利用範囲について、事前の合意が十分でなければ確認が必要になることがあります。公開前に原稿を共有し、掲載内容や公開範囲を確認してもらいましょう。

件名:【原稿ご確認のお願い】導入事例記事の掲載について(株式会社〇〇)

〇〇株式会社
[部署名][氏名]様

いつも大変お世話になっております。
株式会社〇〇の[氏名]です。

先日はお忙しい中、弊社のインタビュー取材にご協力いただき、誠にありがとうございました。

取材内容をもとに、導入事例記事の初稿が完成いたしました。

つきましては、記事の内容および掲載予定の写真をご確認いただき、公開についてご承諾いただけますでしょうか。

【ご確認いただきたい内容】

  • 記事原稿:添付PDF「〇〇.pdf」
  • 使用写真:添付画像[〇枚]
  • 掲載媒体:弊社サービスサイト「導入事例」ページ
  • 掲載予定URL:〇〇
  • 公開予定日:[年月日]

原稿の修正や写真の差し替え、ご希望の表記方法などがございましたら、お知らせください。

お忙しいところ恐縮ですが、[〇月〇日(〇)]までにご確認のうえ、掲載可否についてご返信いただけますと幸いです。

何卒よろしくお願い申し上げます。

例文3:イベントで撮影した人物の写真を掲載する場合

セミナーや展示会などで撮影した写真を、SNSやイベントレポートに掲載したい場合の例文です。

イベントの撮影に同意してもらっていても、WebサイトやSNSなどでの公開まで同意が得られているとは限りません。撮影時に案内した内容や同意の範囲を確認したうえで、必要に応じて掲載許可を依頼しましょう。

件名:【写真掲載のお願い】〇〇イベントで撮影した写真について(株式会社〇〇)

[氏名]様

いつもお世話になっております。
株式会社〇〇の[氏名]です。

先日は弊社主催のイベント「〇〇」にご参加いただき、誠にありがとうございました。

本日は、イベント当日に撮影したお写真の掲載について、ご相談したくご連絡いたしました。

当日の様子を紹介するため、弊社公式SNSおよびコーポレートサイトのイベントレポートにて、以下の写真を使用させていただきたいと考えております。

【掲載予定の内容】

  • 対象写真:添付画像「〇〇.jpg」
  • 掲載媒体:弊社公式SNS(X)およびコーポレートサイト
  • 利用目的:イベントの開催報告
  • 掲載予定日:[年月日]

写真の掲載について、ご承諾いただくことは可能でしょうか。

お顔の掲載を希望されない場合は、ぼかし加工などの対応を検討いたします。掲載自体を希望されない場合も、その旨お知らせください。

お手数をおかけしますが、[〇月〇日(〇)]までにご回答いただけますと幸いです。

何卒よろしくお願い申し上げます。

例文4:お客様の声を自社サイトに掲載する場合

アンケートやサービス利用後の感想を、自社Webサイトの「お客様の声」として掲載したい場合の例文です。

掲載する際は、回答内容だけでなく、氏名やイニシャル、年代などの表記方法も確認しましょう。サービスの広告に利用する場合は、感想を実際の回答と異なる内容に編集したり、効果を過度に強調したりしないよう注意が必要です。

件名:【掲載許可のお願い】アンケート回答のWebサイト掲載について

[氏名]様

平素より弊社サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。
株式会社〇〇の[氏名]です。

先日は、弊社サービスに関するアンケートにご協力いただき、ありがとうございました。

このたび、ご回答いただいた内容を、弊社Webサイトの「お客様の声」ページに掲載させていただきたく、ご連絡いたしました。

【掲載予定の内容】

「[アンケートの回答内容を記載]」

【掲載予定の媒体】

  • 掲載媒体:弊社Webサイト「お客様の声」ページ
  • 掲載先URL:〇〇
  • 公開予定日:[年月日]

お名前の表記については、以下からご希望の方法をお選びいただけます。

  • 実名
  • イニシャル
  • 年代のみ
  • その他の表記方法

また、掲載時のデザイン案を添付しておりますので、あわせてご確認ください。

掲載にご承諾いただける場合は、ご希望の表記方法とともにご返信いただけますと幸いです。

なお、掲載を希望されない場合も、遠慮なくお知らせください。

お忙しいところ恐縮ですが、[〇月〇日(〇)]までにご回答をお願いいたします。

今後とも弊社サービスをよろしくお願い申し上げます。

掲載許可メールを送る前に確認したい法的な注意点

掲載許可を依頼する前に、使用するコンテンツの権利関係や、予定している利用方法を確認しましょう。

特に、著作権や肖像権はそれぞれ保護する対象や判断基準が異なります。すべてのコンテンツで一律に許諾が必要になるわけではありませんが、必要な確認を怠るとトラブルにつながる可能性があります。

著作権法上の「引用」と「転載」を区別する

他者の文章や画像を利用する際は、引用と転載の違いを理解しておくことが重要です。

著作権法第32条では、公表された著作物について、公正な慣行に合致し、引用の目的上正当な範囲内であれば、引用して利用できると定められています。この要件を満たす場合は、原則として著作権者の許諾を得る必要はありません。ただし、出所の明示など、法律上求められる条件にも注意が必要です。

引用に該当するかどうかは、利用目的や方法などを踏まえて判断されます。一般的には、次のような点が確認事項になります。

  • すでに公表されている著作物であること
  • 引用する必要性があること
  • 自分の文章と引用部分を明確に区別できること
  • 自分の文章が主体で、引用部分が従たる関係にあること
  • 引用の目的に照らして必要な範囲で利用すること
  • 適切な方法で出所を明示すること

ただし、これらの項目だけを形式的に満たせば、必ず引用として認められるわけではありません。具体的な利用方法や著作物の性質なども考慮されます。

一方、他者の文章や画像をそのまま転載したり、引用の要件を満たさない形で利用したりする場合は、原則として権利者の許諾が必要です。

また、Webサイトに掲載されている情報だからといって、自由に転載できるわけではありません。サイトの利用規約やコンテンツごとの利用条件も確認しましょう。

参考:[文化庁「文化芸術活動に関する法的問題についてよくあるご質問」]

写真の著作権と肖像権を確認する

人物が写っている写真を掲載する際は、写真の著作権と、被写体の肖像権を分けて考える必要があります。

写真の著作権は、原則として写真を創作した人などに帰属します。一方、肖像権は、自分の容姿などをみだりに撮影・公表されない利益に関わる権利です。

そのため、写真の撮影者から掲載許可を得ていても、被写体の肖像権などについて別途確認が必要になる場合があります。反対に、被写体本人から掲載の同意を得ていても、写真の著作権者の許諾が必要なケースがあります。

ただし、人物が写っている写真を公開する際に、必ず本人の許可が必要と一律に決まっているわけではありません。撮影・掲載の状況や目的、写真の内容などを踏まえて判断されます。

特に、広告や販促物などで人物の写真を使用する場合は、利用目的や掲載媒体を明示したうえで、必要な許諾を得ることが大切です。

フリー素材も利用規約を確認する

フリー素材サイトで公開されている画像も、必ずしも無条件で利用できるわけではありません。

サイトや素材ごとに、商用利用の可否、加工の可否、クレジット表記の要否、利用できる媒体などが定められている場合があります。人物写真については、肖像権やモデルの利用条件なども確認が必要です。

また、フリー素材の画像を利用できる場合でも、画像に写っている人物や企業、商品などについて、あらゆる用途での利用が認められるとは限りません。

素材を使用する前に利用規約を確認し、規約の範囲内で利用しましょう。条件が不明確な場合は、素材の提供元に問い合わせることも選択肢です。

掲載許可の範囲と条件を明確にする

掲載許可を得る場合は、何を、どこに、どのような目的で使用できるのかを明確にしておきましょう。

例えば、Webサイトへの掲載について許諾を得たとしても、広告やSNS、パンフレットなどへの転用まで認められているとは限りません。

許諾を依頼する際は、必要に応じて次の項目を確認します。

  • 使用するコンテンツの範囲
  • 掲載媒体と利用目的
  • 掲載期間
  • クレジット表記の方法
  • 加工・編集の可否
  • 二次利用の可否
  • 利用料やその他の条件

掲載許可のメールや相手からの返信は、合意内容を確認するための記録として保管しておきましょう。利用条件が複雑な場合や、契約上の権利関係が不明確な場合は、法務担当者や弁護士などへの相談も検討してください。

掲載許可メールに関するトラブル対策と対応フロー

掲載許可を依頼しても、期限までに返信がなかったり、掲載を断られたりする場合があります。また、許諾を得た後も、合意した条件に沿って適切に対応することが大切です。

ここでは、依頼後に取るべき対応を紹介します。

返信がない場合は確認の連絡を入れる

設定した回答期限を過ぎても返信がない場合は、相手がメールを確認できていない可能性も考えられます。

まずは、以前送ったメールへの返信という形で、掲載許可について確認の連絡を入れましょう。相手の負担にならないよう、依頼内容と回答期限を簡潔に伝えます。

ただし、返信がないことを掲載への同意とみなすことはできません。リマインドを送っても回答が得られない場合は、掲載を見送るか、別の素材を使用するなどの対応を検討してください。

掲載を断られた場合は意向を尊重する

相手から掲載を断られた場合は、その意向を尊重し、対象のコンテンツを使用しないようにしましょう。

必要以上に理由を尋ねたり、強引に交渉したりすると、相手に負担や不快感を与えるおそれがあります。

断りの連絡を受けた際は、検討してもらったことへの感謝と、掲載を見送る旨を簡潔に伝えます。

例えば、次のような返信が考えられます。

「ご検討いただき、誠にありがとうございました。本件につきまして、承知いたしました。今回は掲載を見送らせていただきます。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。」

丁寧に対応することで、今後の取引やコミュニケーションへの影響を抑えやすくなります。

掲載後は必要に応じて報告する

許諾を得てコンテンツを公開した後は、相手との関係や事前の取り決めに応じて、掲載完了の報告を行いましょう。

報告する場合は、公開ページのURLを共有し、協力に対する感謝を伝えます。掲載内容が合意した条件に沿っているか、公開前に改めて確認することも大切です。

公開後に誤記や掲載条件との相違が見つかった場合は、速やかに修正し、必要に応じて相手に報告します。

また、掲載期間を定めている場合は、期限を過ぎた後の取り扱いも確認しておきましょう。掲載の継続や別媒体への転用が必要になった場合は、当初の許諾範囲を確認し、必要に応じて改めて許諾を得てください。

まとめ

他者の文章や画像、人物の写真などをWebサイトやSNSに掲載する際は、著作権や肖像権などの権利関係を確認し、必要に応じて掲載許可を得ることが大切です。

依頼メールには、掲載の目的や媒体名、使用するコンテンツ、掲載期間、利用条件、回答期限などを具体的に記載しましょう。相手が判断しやすい情報を整理して伝えることで、認識の違いによるトラブルを防ぎやすくなります。

また、著作権法上の引用に該当する場合など、許諾を得ずに利用できるケースもあるため、引用と転載の違いを理解しておくことも重要です。

本記事の例文を参考に、利用目的や相手との関係に合わせて依頼内容を調整し、権利関係に配慮した情報発信を心がけましょう。